研究内容
人間が生きていくためには、毎日の食事が欠かせません。その食事の中心となるのは、炭水化物を摂取するためのコメやパン、麺類であり、それら主食の原料となるのはイネやコムギなどの穀物です。作物学とは、これら主食として私たちの生命を支えてくれている「食用作物」について研究する学問分野です。「食用作物」には、さらにトウモロコシやダイズ、ジャガイモなどが含まれます。
さらに、作物学では、「食」だけでなく、「衣」や「住」を含めた私たちの生活を支えている「工芸作物」も研究対象となります。「工芸作物」には、食用や工業用の油を生産するアブラヤシやゴマ、ナタネなどの油料作物、衣料用などの繊維を取るワタやアマ、ジュートなどの繊維作物、嗜好品の原料となるチャやコーヒー、カカオなどの嗜好料作物などがあります。
よって、作物学は、私たちの毎日の生活に欠かすことができない食料品から生活必需品までの原料となる作物を研究対象とする、非常に重要な学問分野といえます。
名城大学農学部作物学研究室では、日本人の主食である「イネ」、日本ではなじみの深い「ソバ」、油料作物である「ヒマ」「ゴマ」「エゴマ」、繊維作物である「ジュート」などを研究対象として扱っています。それら対象作物の収量および品質を向上させることを目指して、その生長や発育、収量構成、品質を決定する成分などに関する特性の解析、ならびに様々な栽培環境に対する適応機構の解明を、水田や畑でのフィールド調査から遺伝子機能解析までの様々な手法を活用して進めています。
主な研究テーマ
- イネの登熟に対するソース機能強化に向けた茎葉部におけるデンプン代謝制御機構の解明
- 世界の工芸作物(油料作物,繊維作物など)の栽培研究
- 水田における稲わら由来のバイオメタン生産と水稲栽培の二毛作を達成する新奇農業システムの確立
- ソバなど生産量の少ない食用作物の栽培研究
- エゴマ有用系統の栽培特性ならびに機能性成分特性の解析
外部資金の獲得状況
- 科学研究費助成事業(文部科学省)基盤研究 (C)(一般)
「イネ茎葉部におけるデンプン分解制御に関わる遺伝子の機能およびその品種間差異の解明」
研究代表者:平野達也、研究期間:平成27~29年度 - 科学研究費助成事業(文部科学省)基盤研究 (B)(一般)
「イネ茎部の非構造性炭水化物組成の遺伝的改変に向けた代謝制御因子の探索」
研究分担者:平野達也(代表:青木直大)、研究期間:平成26~28年度 - 科学研究費助成事業(文部科学省)基盤研究 (C)(一般)
「沖縄における耕作放棄地での省力的かつ安定的高収ソバ栽培技術の確立」
研究分担者:道山弘康(代表:鬼頭誠)、研究期間:平成26~28年度 - 科学研究費助成事業(文部科学省)基盤研究 (C)(一般)
「登熟期間中のイネ葉鞘におけるデンプン分解関連酵素遺伝子の機能解析」
研究代表者:平野達也、研究期間:平成24~26年度 - 科学研究費助成事業(文部科学省)基盤研究 (C)(一般)
「南米野生イネの洪水適応戦略」
研究分担者:平野達也(代表:東哲司)、研究期間:平成24~26年度 - 名城大学研究奨励助成制度 高度化研究推進事業
「バイオリマテリアル創製センター」
研究分担者:平野達也(代表:田村廣人)、研究期間:平成25~27年度 - 名城大学研究奨励助成制度 高度化研究推進事業
「薬食同源による健康研究センター」
研究分担者:平野達也(代表:小原章裕)、研究期間:平成23~25年度 - 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業
「アグリオミクスによる環境調和型物質循環の構築」
研究分担者:平野達也(代表:田村廣人),研究期間:平成20〜24年度