生物資源学科

植物病理学研究室

Laboratory of Plant Pathology

植物を土俵に
微生物たちが繰り広げる攻防

荒川征夫 准教授荒川征夫 准教授

藤原和樹 助教藤原和樹 助教

研究内容

イネを対象として各種病害の発生生態学的研究を行い、有用微生物による生物防除法を検討。また植物病原菌類の種や個体の進化系統学的研究なども行っています。これまでの植物病害防除体系はあまりにも人間中心的であり、自然生態系の循環を乱す方向へと作用してきました。近年、医療分野でも注目されている患者一人ひとりに対するテーラーメイド治療の概念を、植物の病気を防ぐ場合にも適応させ、環境保全型の病害管理技術の開発を目指しています。

研究室だより

卒業祝賀会での集合画像令和5年度の卒業式および卒業証書授与式が2024年3月18日に開催されました。植物病理学研究室からは学部生14名が巣立ちました。在学中に築き上げた専門知識や技術そして絆を大切に、4月からの新しい環境で、社会人や学生として実力を多いに発揮し、さらに大きく成長してくれることを、教職員一同心より祈っております。

研究室からのお知らせ

・2024年5月11日に名古屋市庄内緑地公園でBBQを行い、研究室所属の参加可能な学部3年-4年-院生、教員2名そして卒業生数名を交え、親睦を深めました。
・2024年3月18日に名古屋市金山のANAホテルで卒業祝賀会が開催され、当研究室から学部生14名が巣立ちました。
・2024年3月13-15日に仙台市で開催された日本植物病理学会大会にて、研究室所属大学院生のさんが、研究成果を発表しました。
・2024年2月10日に卒論研究発表会が行なわれ、本研究室所属の14名が発表し、学生および教員を交えた活発な討議で盛り上がりました。

最近の主な論文・著書

・Cumagun, CJR., McDonald, BA., Arakawa, M., Castroagudín, VL., Sebbenn, AM. and Ceresini, PC. (2020) Population genetic structure of the sheath blight pathogen Rhizoctonia solani AG-1 IA from rice fields in China, Japan and the Philippines. Acta Sci. Agr. 42, e42457.
・荒川征夫 (2016) フィールド&ラボ~知って得する豆知識2~現場に即応~病原菌採取のコツと裏技. 植物防疫. 70, 60-63.
・紙崎啓昌・荒川征夫・稲垣公治 (2015) イネのRhizoctoniaおよびSclerotium属菌核病菌の生育および菌核形成・発芽に及ぼす各種CO2およびO2濃度の影響. 関西病虫研報, 57: 11-18.
・清水 稔・荒川征夫・稲垣公治 (2015) イネ各種菌核病を引き起こすRhizoctonia及びSclerotium属菌の菌核発芽様式. 名城大農学部学術報告, 51: 9-16.
・荒川征夫・稲垣公治 (2014) Rhizoctonia属菌における菌糸融合群判定および集団遺伝学解析のための分子マーカー. 日植病報. 80特集号, 81-86.
・松井秀樹・相良由紀子・郭 慶元・荒川征夫・稲垣公治. (2014) 各種微量要素及びSiのイネ4種Rhizoctonia属菌の生育,菌核発芽及び紋枯病発病に及ぼす影響. 日植病報. 80, 152-161.
・Arakawa, M. and Inagaki, K. (2014) Molecular markers for genotyping anastomosis groups and understanding the population biology of Rhizoctonia species. Journal of General Plant Pathology 80, 401–407.
・荒川征夫. (2013) リゾクトニア (改訂新編土壌微生物実験法, 豊田剛己ほか編). 養賢堂. pp.187-192.
・Guo, Q., Mathur, A.C., Arakawa, M. and Inagaki, K. (2012) Contribution of weeds growing in paddy fields to occurrence of rice sclerotial diseases caused by Rhizoctonia and Sclerotium spp.  J. Res. Inst. Meijo Univ. 11, 1-10.
・荒川征夫. (2010)「水田生息性Rhizoctoniaを例にした発生生態学」~種・個体レベルの分子的解析を圃場にどう持ち込むか~ (現場で使える植物病原菌類解説 –分類・同定から取り扱いまで-, 景山幸二ほか編). 西濃印刷. pp.106-109.
・稲垣公治, 郭 慶元, 片山好春, 荒川征夫. (2009) 水田における各種RhizoctoniaSclerotium属菌の越冬とイネ-雑草間移動. 名城大農場報告 10, 57-62.
・ Guo, Q., Kamio, A., Sharma, B., Sagara, Y., Arakawa, M., and Inagaki, K., (2006) Survival and subsequent dispersal of rice sclerotial disease fungi, Rhizoctonia oryzae and Rhizoctonia oryzae-sativae, in paddy fields. Plant Dis. 90, 615-622.
・ 稲垣公治・荒川征夫 (2005) 水田におけるイネ各種菌核病菌類の移動と年次変動. 植物防疫 59, 161-164.
・ Inagaki, K., Guo, Q. and Arakawa, M. (2004) Overwintering of rice sclerotial disease fungi, Rhizoctonia and Sclerotium spp. in paddy fields in Japan. Plant Pathology Journal 3, 65-71.
・ 郭 慶元・小笠原崇文・荒川征夫・稲垣公治 (2003). 水田におけるイネ紋枯病菌個体群の年次推移. 日本植物病理学会報 69, 212-219.
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