生物資源学科

作物学研究室

Laboratory of Crop science

作物を通して私たちの
食料・環境・エネルギーを考える

平野達也 教授平野達也 教授

黒川裕介 助教黒川裕介 助教

研究内容

作物学とは、人間が主に主食として利用するイネなどの穀物やダイズなどのマメ類といって食用作物および生活に欠かせない製品の原料を生産する繊維作物や油料作物といった工芸作物を研究対象とする学問です。本研究室では、日本人の主食となるイネの研究を中心に、機能性食品としても注目されている油料作物のエゴマや、ジュート・ケナフといった繊維作物を研究対象としています。
イネの需要は世界的に増加しており,日本でも幅広い用途でのイネの利用が進められています.そこで,イネの収量性向上に向けて,子実への炭水化物の供給能力を増強するための研究を進め、文部科学省の科学研究費補助事業などの支援を受けて、イネ茎葉部のデンプン分解に関わる様々な遺伝子の機能解析を進めています.
さらに,1)洪水下で生育できる浮稲やブラジルアマゾンで生育する野生イネの冠水適応機構の解明,2)水田における稲わらを原料としたバイオメタン生産技術(GETシステム)の確立、3)エゴマの収量および子実品質に及ぼす栽培環境の影響の解析、4)酒米品種の収量と品質向上に関わる栽培技術の確立、5)イネに耐水性を付与するガスフィルムの機能に関する生理学的・遺伝学的解析、6)イネ実生の葉身および葉鞘の伸長に及ぼすエチレンの効果、7)繊維作物の湛水ストレス耐性に関する研究など,多様な研究に国内外の研究室と共同で取り組んでいます.

研究室だより

黒川裕介(助教)黒川裕介さんは、当研究室出身で、2011年に名城大学を卒業した後に、2018年に「dripping wet leaf (drp)変異体を用いたイネ耐水性機構の解明」のテーマで博士(農学)の学位を取得しました。博士研究員としての期間を経て、2020年4月に本学の作物学研究室に助教として着任しました。イネの遺伝育種学が専門であることから、現在は、作物の品種改良を目指した実験系を確立するために、日々楽しく、指導学生と研究に取り組んでいます(写真は、日本作物学会第252回講演会で受賞した優秀発表賞の記念として、伊藤蓮くん(修士課程1年生、写真右)と撮影したもの)。

研究室からのお知らせ

当研究室を詳しく知りたい画面の前の学生さん‼ 気軽に作物学研究室(9号館205)までお越しください!
<令和5年度>
・12月21日に開催された日本作物学会東海談話会第153回講演会(浜松)において、黒川助教が「日本晴/カサラス染色体断片置換系統群(CSSLs)を用いた低窒素条件下における地上部生長の比較」、M1の伊藤くんが「出穂期のイネ葉鞘に含まれるデンプンの分解性とジベレリンとの関係」、学部4年生の甲斐くんが「繊維作物であるケナフ(Hibiscus cannabinus L.)とジュート(Corchorus capsularis L.)の異なる窒素条件下における湛水耐性評価」、学部4年生の鈴木くんが「野生イネ(Oryza grandiglumis)の完全冠水に対する応答性とガスフィルムとの関係」というタイトルで口頭発表を行いました。

・12月17日に開催された第 30 回日本育種学会中部地区談話会 (名古屋大学)において、M1の伊藤くんが「半矮性イネ品種「IR64」に由来する出穂後の節間伸長を正に制御する遺伝的領域の探索」というタイトルでポスター発表を行い、優秀発表賞を受賞しました。

・9月14,15日に開催された日本作物学会第256回講演会(佐賀大学)において、黒川助教が「普通ソバとダッタンソバにおける地上部生長に及ぼす異なる湛水処理の影響」というタイトルで口頭発表を行い、優秀発表賞を受賞しました。

・6月24,25日に開催された生物工学若手研究者の集い夏のセミナー2023(富山県)において、黒川助教が「作物の耐水性機構解明を目指した分子マーカー育種」というタイトルで招待講演を行いました。同学会において、M1の伊藤くんが「イネ葉鞘における出穂後のデンプン分解性と粒形質の共分離を説明する遺伝子の探索」というタイトルでポスター発表を行い、新進気鋭賞(B4・M1学生対象の優秀発表賞)を受賞しました。

・イネ葉身におけるデンプン代謝とβ−アミラーゼとの関係を解析した内容の論文がBioscience, Biotechnology amd Biochemisty誌に掲載されました(論文タイトル「The relationship between β-amylase and the degradation of starch temporarily stored in rice leaf blades」)

・修士課程1年生1名、学部4年生17名の体制で新しい年度の研究がスタートしました。

<令和4年度>
・3月29,30日に開催された日本作物学会第255回講演会(東京農工大学)において、学部4年生の伊藤くんが「イネ葉鞘における出穂後のデンプン分解を制御する遺伝子の単離に向けた表現型解析と遺伝子連鎖解析」、学部4年生の櫛田くんが「dripping wet leafdrp)変異体における冠水によるイネ葉表面の形態変化が撥水性とガスフィルムの維持に及ぼす影響」、学部4年生の安藤くんが「繊維作物のケナフとジュートに湛水耐性を付与する耐湿性形質の探索」というタイトルで口頭発表を行いました。

・2月11日(土)に卒業研究発表会が開催されました。今年度もコロナ禍のために卒業生の参加はかないませんでしたが、16名の4年生が一年間取り組んできた成果を発表し、3年生からも多くの質問があり、素晴らしい発表会となりました。4年生の皆さんは一年間お疲れ様でした。

・1月11日にウインク愛知展示場で開催された名城大学リサーチフェア 2022において、学部4年生の櫛田くんが「稲の耐水性機構を解明する~豪雨に負けない安定生産を目指して~ 」、学部4年生の安藤くんが「繊維作物の耐水性機構を解明する~豪雨に負けない安定生産を目指して~」、学部4年生の伊藤くんが「稲種子のデンプン蓄積を向上させる遺伝子を探索する~実りの良くなる稲品種の改良を目指して~ 」というタイトルでポスター発表を行いました。

・10月11日に開催された日本作物学会東海支部第152回講演会において、学部4年生の安藤くんが「ケナフとジュートにおける地上部/地下部生長に及ぼす異なる増水環境の影響」というタイトルで口頭発表を行いました。また、同じくその講演会において、黒川助教が「普通ソバと野生ダッタンソバの湛水耐性評価から見えてきたもの」というタイトルで口頭発表を行いました。

・6月23日に農学付属農場にて、種子保存のための田植えを行いました!(写真は作業後の様子)

<令和3年度>
・3月27日に開催された日本作物学会第253回講演会(オンライン)において、平野教授が「イネβ-アミラーゼ遺伝子、OsBAM2とOsBAM3の発現特性の解析」というタイトルで口頭発表を行いました。

・2月12日(土)に卒業研究発表会が開催されました。今年度もコロナ禍のために卒業生の参加はかないませんでしたが、16名の4年生が一年間取り組んできた成果を発表し、3年生からも多くの質問があり、素晴らしい発表会となりました。4年生の皆さんは一年間お疲れ様でした。

・早晩性の異なるエゴマ系統の特性を評価し、それらの生育・収量を栽培地間で比較した論文が日本作物学会紀事の91巻1号に掲載されました。この研究は愛知県農総試山間農業研究所との共同研究として2015年度から取り組んでいる課題に関する成果をまとめたものです。また、本研究に関する写真が雑誌の表紙に選ばれました。

・10月29日(金)に附属農場において実験用や試食用のイネの収穫を研究室全員で行いました。

・9月10日に開催された日本作物学会第252回講演会(オンライン開催)において、修士課程2年生の國井くんが「深水条件下における浮イネ節間のデンプン代謝とα−アミラーゼ遺伝子の発現との関係」というタイトルで口頭発表を行いました。また、同じくその講演会において、黒川助教が「OsGL1-1/WSL2遺伝子はワックス決勝を形成することでイネ葉のガスフィルム維持を制御する」というタイトルで口頭発表を行いました。

・6月17日(木)に研究室のゼミの一環として、品種保存用など実験用や試食用のイネ品種・系統の田植えを附属農場において実施しました。

・科学研究費補助金基盤研究(B)に申請していた課題、「イネ子実の登熟に対するソース機能強化を目指した茎部蓄積デンプンの分解機構の解明」(研究代表者:平野達也、研究分担者:黒川裕介)が採択されました(研究期間:令和3年度から5年度)

<令和2年度>
・2月13日(土)に本年度の卒業研究発表会が開催されました。コロナ禍のために例年のように卒業生に参加してもらうことはできませんでしたが、例年同様に4年生が一年間取り組んできた成果を発表し、非常に素晴らしい発表会となりました。来年度は同窓会も開催することができればと思っていますので、卒業生の皆さん、またよろしくお願いします。

・GETシステムの実証試験に関するフィージビリティスタディがNEDOの新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業に採択され、研究代表機関である株式会社ユニバーサルエネルギー研究所とともに、静岡県袋井市を現場とした事業性評価を実施することとなりました。

・2011年から附属農場において実験を進めてきた、水田を発酵田とした稲わら由来のバイオメタン生産技術である「GETシステム」に関する論文が、Journal of Cleaner Production 272巻に掲載されました。

・4月から新しい作物学研究室の助教として黒川裕介先生が着任されました。黒川先生は本学農学部生物資源学科作物学研究室の平成22年度の卒業生で、その後、名古屋大学大学院生命農学研究科修士課程に進学し、さらに博士後期課程を修了して、博士(農学)の学位を取得された新進気鋭の若手研究者です。

最近の主な論文・著書

・平野達也・田中哲司・鬼頭雅也・川口稜司・山田直輝・杉浦宏之・渡邉靖洋・道山弘泰 (2022) 早晩性が異なるエゴマ系統の生育および収量関連形質に及ぼす栽培地の影響.日作紀91: 16-27.
・Chen, S., Murano, H., Hirano, T., Hayashhi, Y. and Tamura, H. (2020) Establishment of a novel technology permitting self-sufficient, renewable energy from rice straw in paddy fields. J Cleaner Prod. 272: 122721.
・Kurokawa, Y. et al. (2018) Rice leaf hydrophobicity and gas films are conferred by a wax synthesis gene (LGF1) and contribute to flood tolerance. New Phytol. 218(4): 1558–1569.
・Hashida, Y., Kadoya, S., Okamura, M., Sugimura, Y., Hirano, T., Hirose, T., Kondo, S., Ohto, C., Ohsugi, R. and Aoki, N. (2018) Characterization of sugar metabolism in the stem of Tachisuzuka, a whole-crop silage rice cultivar with high sugar content in the stem. Plant Prod Sci. 21: 233-243.
・Sasayama, D., Okishio, T., Hirano, T., Fukayama, H., Hatanaka, T., Akimoto, M. and Azuma, T. (2018) Internodal elongation under submergence in the Amazonian wild rice species Oryza glumaepatula: the growth response is induced by hypoxia but not by ethylene. Plant Growth Regul. 85: 123-132.
・Hirano, T., Higichi, T., Hirano, M., Sugimura, Y. and Michiyama, H. (2016) Two beta-amylase genes, OsBAM2 and OsBAM3, are involved in starch remobilization in rice leaf sheaths. Plant Prod Sci. 19: 291-299.
・Sugimura, Y., Michiyama, H. and Hirano, T. (2015) Involvement of α-amylase genes in starch degradation in rice leaf sheaths at the post-heading stage. Plant Prod Sci. 18: 277-283.
・Hirano, T. et al. (2014) Differences in elongation growth between floating and deepwater rice plants grown under severe flooding in Thailand. Field Crop. Res. 160: 73-76.
Update :

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