生物環境科学科

環境動物学研究室

Laboratory of Environmental Zoology

野生動物と環境との
関係をさぐる

日野輝明 教授日野輝明 教授

新妻靖章 教授新妻靖章 教授

研究内容

動物をもっと知りたい。
 陸地から海洋まで幅広い自然環境をフィールドにして,そこに生息する脊椎動物から無脊椎動物までさまざまな野生動物,主に高次捕食動物を研究対象として,それらの生態・行動・生理について研究していいます.
 東海地域では,野生動物について科学的にアプローチしている研究室は少なく,当該研究室に入ればそれらについて学ぶことができます.
 研究室での中心的な研究テーマは,人間活動による野生動物の影響です.人類が誕生して以来,ヒトは多く野生動物を絶滅させてきました.近年では,生物多様性の重要性が認識され,絶滅の危機にある野生動物の保全の気運が高まってきていますが,それでも人間活動により多くの野生動物が影響を受けており,直ちにその影響を最小限にしないと絶滅へと向かってしまいます.例えば,石炭の燃焼は二酸化炭素だけでなく,水銀を環境中に排出してしまいます.たとえ低濃度の水銀汚染であっても,海洋生態系の高次捕食動物であるウミネコは,体内に水銀を蓄積し,給餌行動に負の効果を受けることがわかりました.混獲とは漁業において意図せずに海鳥など捕獲してしまうことで,アホウドリ類の生存に深刻な影響を受けるほどが混獲されている懸念があります.混獲個体の生態的特徴をとらえ,どのような個体が混獲されやすいのかを解明し,個体群への影響を調べています.人間活動が拡大すると野生動物と人が接近する機会が増えます.野生動物はヒトとの接近によりストレスを受けています.人は知らず知らずのうちに,野生動物に影響を与えており,野生動物の行動などが改変されている可能性があります.狩猟や駆除といったことで野生動物は人を恐れるようになっていたのかもしれません.観光地などでカモメに餌をあげることも動物の行動を変えてしまう原因になります.そういった人に対する影響の受け方を個体ごとに評価するといった野生動物の管理・保全の方法を模索しています.

研究室だより

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研究室からのお知らせ

・共同研究している木下さんが,日本生態学会65回大会ポスター発表にて,行動部門で優秀賞を受賞しました.(発表者:木下千尋,福岡拓也,楢崎友子,新妻靖章,佐藤克文,タイトル:北太平洋のアカウミガメ亜成体は高い休止代謝速度によって越冬時に活動的な潜水を行う)
・研究室の卒業生の○さんは,アクアとと岐阜で飼育員として働いています。○○さんは,富士サファリパークで飼育員として活躍しています。
・昨年度の研究室卒業生が名古屋市市役所に市職員として採用され,働いています。
・函館で開催されたPacific Seabird Group annual meeting2009におけるstudent paper awardにおいて,Yukiko Inoue1, Hidenori Fujii2, Hirohumi Kuroki2, Yasuaki Niizuma2 and Yutaka Watanuki1(1. Hokkaido University, 2. Meijo University)による「THE RELATIONSHIP BETWEEN ORNAMENT SIZE AND BREEDING SUCCESS IN THE GREAT CORMORANT(カワウにおける飾り羽の大きさと繁殖成績の関係)」 が、Second award を受賞しました.
・東京で開催された日本鳥学会2008年度大会における若手の部ポスター賞において、富田直樹1, 岡田恵理2, 新妻靖章2, 高木昌興1(1. 大阪市大・院理・動物機能生態, 2. 名城大・農・環境動物)による「胚の成長に影響を与える卵の気孔密度のクラッチ内の相違」が優秀賞を受賞しました.
・「バカにならない読書術」養老孟司,池田清彦,吉岡忍著のなかで,当研究室有田豊名誉教授の「擬態する蛾 スカシバガ」が科学を楽しむ本として,紹介されました. スカシバガのように良い手本を真似ることも科学を学ぶ上で,はじめは重要なのでしょう.

最近の主な論文・著書

・柴田叡弌・日野輝明 2009 大台ヶ原の自然史.東海大学出版会
・日野輝明 2009 森林の管理と再生:生物群集の考え方から「シリーズ群集生態学第6巻」(大串ら編)pp.27-62.京都大学学術出版会.
・日野輝明・石田朗 2012 GPSアルゴス追跡による東海地方のカワウの行動圏と季節移動.日鳥学誌 61,17-28.
・Ito H, Hino T, Sakuma D. (in press) Species Abundance in Floor Vegetation of Managed Coppice and Abandoned Forest. Forest Ecol Manag 269:99-105.
New・Inoue Y, Nakatsuka S, Niizuma Y, Ochi D, Katsumata N, Okamoto K, Ishihi Y, Oshima K, Minami H (in press) Stable isotope differences among species, sexes and breeding stages in Laysan and Black-footed Albatrosses in western North Pacific. Ornithol Sci
New・Niizuma Y, Tani H, Yamashita Y, Ito M, Maeda M (in press) Mercury contamination in endocrine glands of black-tailed gulls Larus crassirostris on Kabushima (Kabu Island), Japan. Marine Ornithology
New・Umeyama A, Niizuma Y, Shirai M (2021) Field and laboratory metabolism and thermoregulation in rhinoceros auklets. PeerJ 9:e11460 DOI:10.7717/peerj.11460
New・Kinoshita C, Fukuoka T, Narazaki T, Niizuma Y, Sato K (2021) Analysis of why sea turtles swim slowly: a metabolic and mechanical approach. J Exp Biol 224
New・Will A, Takahashi A, Thiebota J-B, Martinez A, Kitaiskaia E, Britt L, Nichol D, Murphy J, Dimond A, Tsukamoto S, Nishizawa B, Niizuma Y, Kitaysky A (in press) The breeding seabird community reveals that recent sea ice loss in the Pacific Arctic does not benefit piscivores and is detrimental to planktivores. Deep-Sea Research Part II.
New・Nakatsuka S, Ochi D, Inoue Y, Ohizumi H, Niizuma Y, Minami H 2021 The diet composition and ingested plastics of Laysan and Black-footed Albatrosses incidentally captured by the pelagic longline fishery in the Western North Pacific. Ornithological Science 20: 129-140
New・Mori T, Sugiura R, Kato M, MiuraK, Ogawa H, Umano S, Kato H, Izumiyama S, Niizuma Y 2021 Relationship between diet and occurrence around human settlements in Asiatic black bears. Ursus 32e11: 1-10
・Mori T, Sugiura R, Katoa M, Miura K, Ogawa H, Umano S, Kato H, Izumiyama S, Niizuma Y (2020) Bark stripping behavior in relation to Fagaceae mast production and diet in the Asiatic black bear (Ursus thibetanus). Journal of Forest Research 25: 450-455.
・Kume Y, Shirai M, Mizutani Y & Niizuma Y 2019 Parental birds incubating larger clutch size regulate their field metabolic rates in response to environmental changes. Ornithological Science 18, 161-167.
・庄子晶子・杉山淳・谷日向子・新妻靖章 2019 北海道におけるミサゴ成鳥と雛の水銀濃度ミサゴの水銀濃度.日鳥学誌 68:343-347.
・牛田裕介・白井正樹・山下優希・伊藤光希・新妻靖章 2019 コアホウドリPhoebastria immutabilisにおけるフォルトバーの羽根間の違い.山階鳥類学雑誌 51:43-52.
・Kinoshita C, Fukuoka T, Niizuma Y, Narazaki T, Sato K 2018 High resting metabolic rates with low thermal dependence induce active dives in overwintering Pacific juvenile loggerhead turtles. J Exp Biol jeb.175836
・Mori T, Sugiura R, Kato M, Kato H, Niizuma Y 2018 A seven-year longitudinal study on the food habits of the Asiatic black bear (Ursus thibetanus) in relation to mast production in Shirakawa Village, Gifu Prefecture, Japan. Mammal Study 43:81-91.
・Goto R, Ohura T, Mizutani Y, Niizuma Y 2018 Ornith Sci 17:113-118.
・粂佑奈・新妻靖章・他4名. 2015. 日鳥学誌 64, 219-226.
・風間健太郎,伊藤元裕,新妻靖章,桜井泰憲,高田秀重,Sydeman WJ, Croxall JP,綿貫豊 2010 海洋環境モニタリングにおける海鳥の役割と保全.日鳥学誌 59:38-54.
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