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学部長あいさつ

 農学は、人が健康に平和に生きるため、身近な生活圏で起こる問題の解決をめざす学問です。すべての人が安定して等しく食して健康に生きられるように、環境を整え、植物や動物を育て、農産物や畜産物から食品や身の回りのものをつくることに関わります。

 ただし、自分が住む生活空間は、地球上のあらゆる場所と物質的・経済的に繋がっています。自分たちが食べる分の食料を確保する技術を確立することは、食料不足や栄養不足に悩む国の人々を助けることにもなります。自ら排出する物質を減らし自分のまわりを安全な環境へと導くことは、その地域にいる多様な生命を守るだけで無く、地球レベルでの環境を改善するのにも役立ちます。

 また、我々は今を生きていますが、生命や社会は綿々と連なるものです。安全で良質な食料を生産すること、生物を利用して再生可能なエネルギー源を探ることや、農林水産業から地域を活性化することなどは、次世代への責任を果たすことになります。

 このため現代の農学は、自分の身のまわりに起点を置きながらも、地域から世界、現在から未来に繋がる多様な視点に立った総合科学として、今世紀の様々な課題の解決をめざす学問となっています。

 名城大学農学部は、農学の教育や研究を行うために、1950年に農学科1学科の学部として創設されました。その後研究する分野を広げて、今は生物資源学科、応用生物化学科、生物環境科学科の3学科があります。同時に研究実験棟や附属農場などの施設や研究設備を充実させてきたことにより、本学部では分子レベルの物質化学や生命科学から、個体レベルの食料・健康科学、さらには、生態系を扱う環境科学まで、幅広くかつ高度な農学分野の研究が行われるようになっています。

 各学科では、実学を重視する教育を行うという大学の方針により、自ら問題を見いだす能力、問題を解決する能力を養うため、学生実験、農場での生産実習、食品加工実習、野外での実地調査など実験・実習や演習を重視するカリキュラムによる教育が進められてきました。その結果として、社会に送り出した卒業生約2万人が東海地区だけでなく、全国各地で活躍するようになっています。近年は、地域の公共団体との連携や海外の大学との交流を積極的に進めています。これらの成果は学部に還元されて、農学部の学問や教育に新しい展開を生むはずです。

 名城大学農学部は、2020年に創立70周年を迎えます。今後の本学部の研究や教育における活躍を期待して下さい。

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