生物資源学科

生物資源経済学研究室

Laboratory of Agricultural and Resource Economics

棚田の魅力:農業の
多面的機能について考えよう

平児慎太郎 准教授平児慎太郎 准教授

研究内容

農業生産の原点は農業集落や土地です。そこで、この研究室では、一定地域における歴史的・社会経済的実態を基本に、農地流動化の問題や農業集落の機能に関する資料を分析しています。また、これから拡大するであろう株式会社による農業経営についても探っています。
今後は食品経済分野にも対象を広げ、コンピュータ等を用いた理論研究にも注力していきたいと考えています。

研究室だより

1. 近況
(19/3/4 16:11(更新))
当研究室の教員が留学先のGeorg August Universität Göttingen (Germany)においてWorkshop on “Sustainable Agricultural Development: Emerging Issues and Challenges for Research“に参加、報告しました。

当日のプログラム https://www.uni-goettingen.de/de/602020.html
第3報告
Sustainable Rural Development and Environmental Policies in Japan
Presenter: Dr. Shintaro Hirako (Meijo University, Japan &Uni Goettingen Germany)

与えられた課題に従い、報告の前半では、日本農政の政策体系について整理した後、農村政策の論点の変遷を解説しました。
初めに「政策的な論点(political issue)は経済成長や社会構造により変わる」という基本的なschemaを掲げ、それに従って時期ごとに農村政策が変遷について説明しました。
農村の地域再生や厚生事業に端を発した農村政策は、その後の農業構造改善事業(農業インフラの整備と技術進歩)と所得政策や経営政策と相補的に農家や農村地域の体質を改善したものの、1990年代以降、(加速的に進む過疎化(地域の衰退)と農業構造改善事業の終焉という状況下で)農政のベクトルの方向性が大きく変化することが求められ、地域政策や生物多様性、景観保全などの環境政策、グリーンツーリズムや都市農村交流などの新たなissueや社会ニーズを包摂しながらpolyvalent化したことを提示しました。
また、報告の後半では、自身が科研費で取り組む研究課題「棚田景観の保全・管理に向けた社会的な合意形成の展開過程」について枠組みを説明し、棚田の機能や都市農村交流の取り組みについて紹介した後、分析手法的な枠組みを検討する上での問題点(従前の定量的な分析(Ordered logit modelやOrdered probit model)の調査票設計の限界や、“非市場財”に対してWTPやWTAを議論することの実効性、計測におけるバイアス)とそれらの解決方法について意見交換した後、予想される結果とそのimplicationにも言及しました。

当日は中国、イタリア、ドイツの第一線で活躍する研究者と活発な意見交換を行い、大変成功裏に終わりました。

(17/11/21 8:33(更新))
来る12月2日、高知大学朝倉キャンパスにて日本国際地域開発学会
http://www.jasrad.jp  2017年度秋季大会が開催されます。
当研究室の教員が大会シンポジウムのコメンテーターとして代表質問を行います。

[シンポジウムテーマ]
   SDGsの下で農・食・観光クラスターの設立を問う
     座長:水野正己(日本大学)
第1講演
     山口和紀(ジェトロ高知)
「地方創生に向けたジェトロ高知の取り組み」  
第2講演
「地方創生における農-食-観光産業集積の構築」 
     朽木昭文(日本大学)
第3講演
「農業の「6次産業化」とネットワーク」
     竹谷裕之(名古屋産業科学研究所)
コメンテーター:
板垣啓四郎(東京農業大学)
中村哲也(共栄大学)
平児慎太郎(名城大学)

(15/12/3 11:15(更新))
来る12月5日、名城大学天白キャンパスにて日本国際地域開発学会 http://www.jasrad.jp  2015年度秋季大会が開催されます。
当研究室の教員が大会実行委員長を務め、大会シンポジウム報告を行います。

[シンポジウムテーマ]
   条件不利地域における地域資源の活用方策
     座長:板垣啓四郎(東京農業大学)
第1報告
「遊休農地の発生要因と対応-岐阜県飛騨地域を事例として-」
     平児慎太郎(名城大学)
第2報告
「沖縄パインアップル産業の課題とその対策-条件不利地域の再生に向けて-」
     中村哲也(共栄大学)
第3報告
「農村ツーリズムによる地域資源利用の課題と方向性-高知県四万十川流域の取り組みから-」
     霜浦森平(高知大学)
コメンテーター:
第1報告を中心に:松下秀介(筑波大学)
第2報告を中心に:菊地 香(日本大学)
第3報告を中心に:石田貴士(千葉大学)

研究室からのお知らせ

[重要]
1. 2017年度後期ゼミの日程について:
(17/9/11 18:13(更新))
下記の要領で2017年度後期ゼミを実施します。
2017年度の専攻生は、指定された時間帯に必ず出席してください。
          記
<3年生><4年生>とも
初回開催日:2017年9月19日、17:00~18:00
場所:N-221
翌週以降は16:30~18:00

ご注意ください。

最近の主な論文・著書

・磯前秀二(2006):農業資本家の欲する借地期間,2006年度日本農業経済学会論文集,95-102.
・磯前秀二(2002):資本家像の再構築と土地改良,2002年度日本農業経済学会論文集,86-90.

・平児慎太郎(2016):岐阜県における耕作放棄地の発生要因‐パネル分析による接近‐,開発学研究27(2),64-69.
・平児慎太郎(2016):遊休農地の発生要因と対応‐岐阜県飛騨地域を事例として‐,開発学研究27(1),2-9.
・平児慎太郎(2010):(書評)生源寺眞一編著『改革時代の農業政策』‐最近の政策研究レビュー‐,農業経営研究,47(4),89.
・平児慎太郎(2009):飼料価格高騰下における酪農経営の存立条件:購入飼料依存型酪農(都府県)と土地利用型酪農(北海道)の比較,小林信一編著『日本酪農への提言』,筑波書房所収.
・平児慎太郎(2006):中山間地域における稲作収量リスクの評価,共済総合研究,48,60-71.
・平児慎太郎(2006):購入飼料依存型酪農における稲発酵粗飼料の評価と定着条件,2005年度日本農業経済学会論文集,160-165.
・平児慎太郎、他(2006):稲発酵粗飼料の潜在需要と利用促進の方策,農業情報研究,15(2),165-172.
・平児慎太郎(2005):畜産経営における稲発酵粗飼料の利用実態と評価‐千葉県を事例として‐,農業経営研究43(1),90-94.

最新の研究業績については、逐次教員プロフィール(本HP上の[MeidaS]欄の教員名、もしくは[研究室の詳細]をクリック) にて公開しています。
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