学部長あいさつ

Greeting



農学部長 氏田 稔

 農学は世界最古の学問の1つであり、今も輝きを失っていません。昔も今も人間は食物を摂取しなければ生存することはできず、地球上において他の生物と共存しなければ生きていくことができないからです。食べ物や生き物について研究する農学は、人類が生きるために不可欠な学問であり、最も身近な学問です。人類が地球上で生き続ける限り、農学は発展し続けます。

 農業とは、植物の栽培や動物の家畜化を行って衣食住に必要な資材を生産する産業や経済活動のことであり、狩猟採集の時代から農業の時代へと移行した約1万年前から文明が発展しました。すなわち、農業の学問である農学は文明発展の基礎であり、これがなければ人類の発展はありませんでした。農学が扱う内容は時代や地域によって異なり、現代の農学は「生産」だけでなく、「食料の保存、加工、流通」、「栄養、おいしさ、食品機能」、「食物アレルギー、花粉症」、「化粧品、日用品、医薬品」などを扱う総合生物科学であると言えます。また、農業の基本は自然環境であり、「地球環境」も農学の重要な対象分野です。これらの知識は、卒業後、社会で生きていく上で必須であり、すべての分野において要求されるものです。

 名城大学農学部では、「遺伝子からフィールドまで生物資源の生産を幅広く学び、考える」生物資源学科、「生命科学を究め、食品・バイオテクノロジー分野で活躍できる人材を育成する」応用生物化学科、「生物・人・自然の調和を環境という側面から幅広く深く追求する」生物環境科学科の3学科を設置し、生命・食料・環境に関わる諸問題の解決・改善に貢献できる専門技術者または農学の素養のある教養人を養成することで、社会の要請に応えています。また、大学院農学研究科、附属農場が設置され、教育・研究のための施設や設備も充実しています。

 名城大学は約1万5千人の学生が学ぶ文理融合型総合大学であり、2026年に開学100周年を迎えます。「志願したい大学ランキング」東海エリア1位であり、就職に強いことでも有名です。名城大学では開学100周年にあたる2026年を目標年とする新たな戦略プラン「Meijo Strategy-2026」(MS-26)を推進しています。2026年は「名古屋高等理工科講習所」の開設から100年目という節目の年になり、2026年までに「多様な経験を通して、学生が大きく羽ばたく『学びのコミュニティ』を創り広げる」を達成することにしています。

 名城大学農学部は2025年に創立75周年を迎えます。今後とも、教育・研究・課外活動・就職・学生支援などにおいて全力を尽くしてまいります。

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