Department Of Environmental Bioscience Meijo University, Japan

研究概要

水田を利用した農産廃棄物からのエネルギー生成手法の開発(GETシステム)

 メタンガスは,地球温暖化の主な原因とされている最も重要な温室効果ガスの一つであり,その原因となる赤外線の吸収効果は二酸化炭素の25倍と言われています.メタンガスの主な発生源は,嫌気的環境での有機物の生物的分解などが起こる水田,湖沼,ランドフィルや反芻動物の消化管などと知られています.

 なかでも,水田はメタンガスの代表的な人為的発生源であり,その発生量は地球全体の年間メタン発生量の10-20%に相当する50-100 Tg であると算定されています.さらに,水田の耕作面積が拡大することにより2052年には,水田からの年間メタン発生量は145 Tg に達すると推計されています.一方,メタンの燃焼による発熱量は13,300 kcal/kg と炭化水素中では最大で,石炭(5,000-7,000 kcal/kg)や石油(9,250 kcal/kg)よりも大きいため,火力発電を行う場合,石油や石炭を用いた発電方式よりもメタンガスを主成分とした発電方式の方が高効率であると推察することができます.そこで,本研究室では水田から多量に発生しているメタンの発生を抑制するのではなく,水田を天然のメタン発酵タンクと位置付け,再生可能なバイオマス資源として有望である農業廃棄物を利活用して,メタンガス(G)をエネルギー(E)として田んぼ(T)から回収(GET)する原位置の物質循環型再生可能エネルギー創製システム「GET システム」の構築を目的とした基盤研究を行っています.

 現在は,「GET システム」を構築するために最適な農業廃棄物,メタンガス発生の効率化およびメタンガスの回収法を附属農場の水田を用いて検討しています.

水田
図1.附属農場での実験風景
水田模式
図2.GETシステム実験の概要図
メタンデータ
図3.実験データの一部
 
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環境微生物学研究室