林 利哉 (はやし としや)

【所属】 名城大学 農学部 応用生物化学科 食品機能学研究室(旧称:食品製造化学研究室,畜産物利用学研究室)
【職名】 准教授 
【生年】 昭和44年
【略歴】
昭和51年3月 日吉保育園卒園
昭和57年3月 名古屋市立港楽小学校卒業
昭和60年3月 名古屋市立東港中学校卒業
昭和63年3月 愛知県立熱田高等学校卒業
平成4年3月  名城大学農学部農芸化学科卒業
平成6年3月  名城大学大学院農学研究科修士課程(農学専攻)修了
平成10年3月 九州大学大学院農学研究科博士後期課程(畜産学専攻)単位取得退学
同年4月     九州大学農学部 助手
平成12年4月 九州大学大学院農学研究院助手 配置換
平成13年3月 学位取得 博士(農学)九州大学(農博甲第856号
         「Studies on the Role of IGF-I and a Novel Muscle Cell Growth Factor, s-Myotrophin, in Muscle Hypertrophy」
平成13年4月 名城大学農学部 講師
平成18年4月 名城大学農学部 助教授
平成19年4月 名城大学農学部 准教授 
           現在に至る
【教育研究活動】
教育活動:大学の最大の使命は社会へ出る準備の整った,次代を支える人材を育てることにあると考えます.特に,研究室配属後に送る研究室中心の生活は,その最後の"仕上げ"工程として極めて意義深いものと確信してます.当研究室では,研究室という小社会で研究生活を送る上で必要な共通の約束事(認識)のもと,学生一人一人が協調性,主体性,探求心,判断力,創造性,責任感,尊敬の念を養いながら目標達成できるような環境づくりを目指しています.また,農学部両学科の共通理念でもある"実学"を重視し,「動物性蛋白質食品の加工と機能性に関する研究」を主軸とした卒業研究内容もさることながら,食品企業への工場見学,卒業生との懇談や地域貢献活動などの課外教育も積極的に取り入れてます. 授業等を主体とした教室教育では,動物性食品を主たる題材として用い,これまでに明らかにされてきた乳・肉・卵等の有する様々な生体調節機能や,動物性食品の加工技術の発祥とその歴史的経緯などを,また,食品の"おいしさ"と不可分の関係にある"食感"の科学や食品物性研究の重要性などを要所で実例を取り入れながら講義を しています.また,実験・実習においては,畜産食品の加工や食品衛生法に基づく製品の品質検査を実際に行うことを通じて,食品の好ましい機能発現につながる加工・保蔵技術論の総合的理解を深められるよう努めています.更には今年度より,食品の安心・安全確保に対する意識の向上を図るべく,HACCP教育を食肉加工実習へ導入する試みも始めています."ゆとり"を標榜する時代の趨勢からか,大学生から主体的に学ぶ姿勢が失われつつあるとされる昨今,人々の営みにおいて身近かつ重要な題材を科学することにより,少しでも"農学"に対する興味・関心を喚起し,主体的に学ぶ動機を見いだせるよう努めて参る所存です.  

  担当科目・・・食品機能学,食品原料学U,食品感性学U,化学実験(分担),応用生物化学実験Z(食品製造学実験・食品衛生学実験),農場実習U(分担),応用生物化学概説(分担),ゼミナールT・U,卒業研究,健康科学論Uー食生活と健康ー(分担),文系のためのやさしいバイオ(分担),食品機能学特論,食品・栄養化学特別実験,食品・栄養化学特別演習

研究活動:
"動物性蛋白質食品の加工と機能性に関する研究"をメインテーマに掲げ,特に高温殺菌や発酵といった加工技術に焦点をあて,安全,おいしい,そして健康に優しい食創りを目指した基礎的並びに実際に即した研究を行っています.その背景として,近年の安全性・利便性の改善に重点を置いた食品製造技術には,従来の製造理論が必ずしも通用せず,特に物理的,化学的に不安定とされる動物性食品では嗜好性や機能性が低下するなど多くの問題が露呈しています.従って,動物性食品の代表格である食肉を中心に,レトルト殺菌や乳酸発酵を施した際の物性変化や機能性の消長について,製品レベルと蛋白質レベルの両面から詳細に検討を行っています.その成果として,発酵やレトルト処理により,食肉蛋白質は極めて特徴的なゲル化挙動を示すことや,ACE阻害活性や筋骨格系細胞増殖賦活作用等の機能性が強化される可能性を見出し,既に一部を学会や専門誌等に発表,寄稿しております.なお,本研究の一部には本学総研の学術研究助成を受けており,また本研究とは別に,地域の乳業会社との共同研究も行っております.食品機能に関する研究は,ここ20年来大きく進展 し,それを起源とした無数の情報が世に流れています.しかしその分,消費者が未熟な科学的根拠に踊らされる弊害も生まれており,我々は真に有益かつ確かな情報発信をするための土台づくりを急がねばならないと考えています.

その他:実験を主体に研究室生活を送る学生・院生諸君とともに汗を流し,得られる実験結果はもちろん,それ以外の研究室での出来事に対しても,一緒になって一喜一憂したいと思っています.実際に身体を動かし,汗(涙?)を拭いながら,ものごとを体得していくことの重要性は,情報技術や科学技術が目覚ましい発展を遂げたいまでも変わらないものと信じています.また,食品の安全確保や国民の健康増進を目的とした食品衛生法等および健康増進法の一部を改正する法律が,2003年5月に交付され現在一部施行されています.これらは言うまでもなくBSE問題や食品の偽装問題,また生活習慣病の猛威等が背景となっており,今後我々がこの教育現場で果たすべき役割の重さを再認識しています.農学部の学生には,単なる消費者としての立場だけでなく,生産者としての立場から物事を見据え,農学を学んだ学士としての責務を果たさねばならぬことを肝に銘じて社会へ巣立って欲しいと願っています.

【研究助成金】
財団法人伊藤記念財団   伊藤ハム株式会社 名古屋製酪株式会社  東亜合成株式会社 科研費[若手研究(B)] その他学内競争的資金

【所属学会等】
日本畜産学会 日本食肉研究会 日本食品科学工学会 生物機能研究会 日本農芸化学会

【学会活動】
日本食品科学工学会第56回大会実行委員(会頭 芳賀聖一教授)
日本食品科学工学会中部支部評議員(平成20年度〜)
日本食品科学工学会中部支部運営委員(平成24年度〜)
日本食肉研究会編集幹事(平成21年度〜)
日本食肉研究会が発行している専門雑誌 "食肉の科学" における文献抄録(国際誌に掲載された食肉関連の学術論文)の一部を担当しています(平成10年度〜)
日本農芸化学会代議員(平成18,19年度)

【社会活動】
東筑紫短期大学食物栄養学科 非常勤講師 (平成10年10月〜平成11年3月まで)
第八回「ういういの集い」(チーズづくりに挑戦〜つくって学ぶ食の科学〜)講師(平成15年8月3日)
名城大学総合研究所 公開講座(動物性タンパク質食品の加工と機能性に関する研究)(平成16年12月5日)
NPOバイオものづくり中部 食品分科会 講演(高付加価値な食肉製品の開発に向けて−発酵あるいは超高温加熱による機能改善−)(平成18年10月3日)
日本農芸化学会中部支部若手シンポジウム 講演(乳酸菌を利用したソーセージの機能改善−特においしさと機能性について−)(平成18年12月9日)

【副業】 黒鱒釣師 牛栓マニア(研究室に資料として所蔵:常時閲覧可)

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